戦略フェイズでは、まず3C分析をして勝ち目があるかどうか、大きく判断をします。
お客様、自社、競合の把握が必要です。
ECサイト運営者の方は、意外とお客様のことがわかっていないことが多いです。
そのため、アンケート、ユーザーインタビューなどお客様を知るための施策を行います。
アンケートハガキの同梱、購入完了後のアンケートフォームなどお客様の声を集めるのに有効な手段があります。
お客様の電話対応を行っているスタッフなど、つねにお客様と会話している人がいればその人にも聞き取りを行います。

自社については、ECサイトを運営していたらそのサイトのGoogle Analyticsのデータや、経営者、社員の方に聞き取りを行い、把握します。

競合は主に競合のウェブサイトを調査していきます。商品単価の比較、ウェブサイトのコンテンツの比較、場合によっては実地調査なども行います。

これらの三者を充分に把握し、お客様に提供している価値はなにか、競合と比較された時、選ばれる理由があるか、を検討します。提供している価値が複数ある場合は3Cを分けて検討します。選ばられる理由が見出せない場合も多々ありますのでその際は、将来的にこのようにお客様に認識してもらえるようになれば勝ち目がありそうだ、というように未来図を描き、それを実現していくためにがんばる。という進め方になってきます。

自社の強みと差別的優位点の違いが最初はわかりにくいのですが、自社の強みにより優位点が実現できる、と説明できると筋が通りやすくなります。

自社の差別的優位点を探るのに、有効な手段として戦略キャンバスを作るのも良いです。お客様の求める価値を自社と競合を比較して、自社の優れている点、負けている点をわかりやすく図解化するものです。

お客様を大きいくくりで捉えると、差別的優位点は見いだしにくい場合が多いです。その場合は、お客様像、お客様の求める価値を具体的にして絞り込んでいくと差別的優位点が見えてくる場合があります。
STPという手法も有効です。
STPとはセグメント、ターゲティング、ポジショニングの略です。

その後、ビジネスとして成り立つための市場規模が十分にあるかを検討し、戦略の成否、ビジネスとしての成功が見込めるか検討します。

STPという手法で、ポジションニングを検討します。
セグメント、ターゲティング、ポジショニングの略です。
まずセグメント。例えばウェブ制作業ならさらに細分化すると、業種はどこを狙うか、飲食店なのか、アパレルショップなのか、製造業なのかなどが考えられます。業種ではなくて、制作の種類での分類、コーポレートサイトを狙うのか、ECサイトを狙うのか、など細分化することができます。どの分野に強いのか、色々な分類をして自社の強みが活かせるセグメントがないか検討します。
次に、自社の強みが行かせるターゲットはどこなのか。ターゲットを決定します。ターゲットがはっきりと定まると後工程がスムーズですが、実施検証しながら検討していきますので、少しずつ変化、絞り込みが進んでいきます。
ポジショニングは、他社と比べて自社の強みが活かせるポジションをとって有利に勝負できるか、を検討します。
stpが定まったらそのポジショニングでビジネスを展開して採算が成り立つかを検証します。

pest分析で、自社の立ち位置を検討することも必要です。Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの頭文字を取ったものです。
まずビジネスの仮説をたて、その仮説がPEST分析をして勝ち目があるかを探ります。
まずPolitics(政治)。世の中の全体の動き、法律や政治などを考慮し、ビジネスに有利な状況かを判断します。
エコノミーでは経済状況は自社のビジネスにあたえる影響はあるのか、を検討します。

ソサエティはEC事業で考えた場合、その業界で勝ち目があるか、と置き換えて考えます。
テクノロジーは競合サイトと比較された時どうなのか、を検討します。
これらを、総合的に把握し、また実際のお客様と接点があるECサイト運営者と相談、打ち合わせを繰り返し戦略を固めていきます。
戦略部分をかため、実行に移すには、実行する本人、その社員さんはもちろん、周りの色々な人物、銀行、会計士、その友人、などの声に紛わされず、途中で頓挫しないよう硬い決意を持って実行出来るような理念にそったものにしないと、途中で頓挫するというのもよくあることです。
経営者自身が戦略策定の中心になるべきです。
社長が担当者にこれやっといて、と言って実現できることではありません。つまり、経営者本人がイノベーションを起こすため先頭に立って時間を割く必要があります。
基本的にはターゲットを絞り込み、小さなセグメントでもいいので、その分野での第一人者となることを目標にします。つまり日本一になるということです。ただし、マーケットのボリュームが自社の必要とする利益を賄うことができるかは、考慮する必要があります。そこで行うのが市場調査です。
市場調査では、国の統計資料や、業界トップ企業の業績などを参考にして、市場規模を模索していきます。そこで概算の売上規模を予想し、何パーセントくらいのシェアが取れそうか、ここは予想となりますが、この段階では桁感を探るためなので予想で問題ありません。
ecサイトのux改善のためにこれらの検討過程を複数回検討し、精度をたかめていきます。

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